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母の趣味は、求人チラシを見る事

まだ実家に両親と住んでいた頃、日曜の朝になると必ず見る光景がありました。それは、リビングの床に求人チラシを広げて、熱心に読む母の姿でした。母は無職だった訳ではありません。長い間、看護師として働いていました。そして、チラシを見るのは、何も「転職しよう」と思っていた訳でもなさそうなのです。端から見ると、それは母の趣味のようなものでした。「あ、またこの病院求人出てる。ってことは、よっぽど仕事が忙しいんだわ。看護師、すぐにやめちゃうんだわ」とか。「あ、この病院はおかあさん、友達がいるのよ。へー、お給料これくらいなんだ」とか、ブツブツ言いながらチラシを読んでいるのです。15才の頃に看護学校に入り、それからずっと看護師をしていた母。私は母とは別の道に進んだので、近くで見ていただけなのですが、看護師というのはとても大変な仕事でしょう。家庭との両立となれば、その苦労は並々ならぬものです。おそらくは母、「今よりも、もっといい職場はないの? いや、ないか。仕方ない、まあ今の所で辛抱するか」と思いつつ、チラシを見ていたのでしょう。それならば、このチラシを見るという行為は、母にとって大事なストレス解消法だったようにも思えるのです。